足立朝日

花畑の小公園で ウスキモクセイの実を発見! 一ツ家の萩原さん

掲載:2021年3月5日号
 NPO法人「森林インストラクター会フォレスト」代表の萩原循さん(68/一ツ家在住)から「散歩中、人家に挟まれた花畑の小さな公園で、ウスキモクセイ(薄黄木犀)の実を見つけました」と、本紙に連絡が入った。萩原さんによると、ウスキモクセイはギンモクセイの変異種で、木も実も大変珍しいもの。「興奮しました」と話した。
 見つけたのは2月10日(水)。コロナ禍の長い自粛生活の中で、萩原さんの唯一の楽しみは、勿論公園めぐり。「閉鎖した室内から外へ出ると、何となく活力がわいてくるような気がします」
 この日、公園で、緑色の実をびっしり付けた高さ5mほどの木を発見。これが、ウスキモクセイ(モクセイ科モクセイ属)の実だった。
 ウスキモクセイの花は7月から10月頃に咲く。花はキンモクセイがオレンジ色、ギンモクセイは白色に対し、その中間の薄黄色なのでこの名前が付いた。
 香りはキンモクセイより控えめで、近くに行かないとわからない。
 萩原さんによると、キンモクセイ、ギンモクセイ、ウスキモクセイともに雌の木と雄の木があり、原産地は中国またはインド。
 キンモクセイは、中国から渡来する時に、花付きの良い雄の木だけが日本に入って来て、同じモクセイ科のヒイラギを台木に接ぎ木や挿し木でクローンを増やしていったため、日本には雌の木がなく実を見ることができない。ギンモクセイも雌の木が少ないため、植物園以外では実はなかなか見られない。
 ウスキモクセイは雌雄が入ってきているため、公園などで稀に見ることができるが「珍しい」と言う。この時は緑色だったが、初夏までには濃紺(黒)に熟す。
 萩原さんは「小生はまだ見たことはないのですが、キンモクセイの実もきっとこれと似ていると想像されます。それにしても、一日も早く、みんなと野原を歩きたいです」と楽しみにしている。

写真上/萩原さんが見つけたウスキモクセイの実
中/ウスキモクセイの花=「庭木図鑑」より
下/「道草の会」の例会で説明する萩原循さん=堀之内の荒川土手で