足立朝日

中学校、駅、商店街を ヒマワリで繋ぐ 九中の「夢のひまわりロード計画」開花

掲載:2021年8月5日号
 東武線の梅島駅に、第九中学校の生徒が育てたヒマワリが咲き誇り、話題になっている。同校が実施する「夢のひまわりロード計画」の一環として、同駅や駅前通りの商店街の店頭で7月初めから、咲き始めの頃のヒマワリを持ち込み、利用客や地元の人々を楽しませている。
 7月15日(木)には、同校の生徒会で担当する6人が梅島駅を訪問。5月から10基のプランターで育てたヒマワリ30本を駅構内に並べた。これには、駅職員らも喜んでお手伝い。同時に、生徒たちが描いた「笑顔があふれる街に」との思いのこもったポスターも張り出された。
 同校では令和2年に、東日本大震災を忘れないために自分たちができることとして、「福島ひまわり里親プロジェクト」から震災復興のシンボルであるヒマワリの種を購入。同校がヒマワリの『里親』となって育てている。
 昨年は校内でのみ栽培したが、今年は地域でもヒマワリを楽しんでもらえるようにと、初めて駅などに置くことを生徒会で決定。梅島駅を含め、商店街、企業など周辺エリアが120基のプランターで種から育てられた360本のヒマワリで彩られることになった。種まきは1年生166人が担当、水やりはボランティアの生徒20人で行った。
 梅島駅の神崎和幸駅長は、「お陰で、駅がとても明るい雰囲気になりました。生徒の皆さんがここまで大事に育てたのはすばらしいことです。今後の水やりなどの管理は我々がしていきます」と話した。生徒会の蛭田英美さん(3年生)は、「地域の皆さんが笑顔になってくれるのがうれしいです。最近は、学校と地域との関わりが少なくなってきたことを感じていますので、ヒマワリを通じ、つながりを大切にしていきたいです」と話した。生徒をまとめた1学年担当の新田敦彦教諭は「生徒の自発的な活動が立派だった。今後も地域に貢献できると思う」と語った。
 今後、咲き終わったヒマワリは同校へ戻し、種を収穫。その一部を福島へ送る。その種を現地の人が咲かせることにより、「里親」と福島との絆を深めていく。

写真上/ずらりと並んだひまわり。構内が明るくなった=梅島駅で
中/ポスター貼りには駅員さんもお手伝い=同
下/九中の生徒たちと駅の皆さん。右は、新田教諭=同