足立朝日

Vol.222千住落語会vol.21「桃月庵白酒 独演会~深まる新緑、癒しの白酒~」

掲載:2022年3月5日号
足立区制90周年 白酒の落語で祝う

 この春、シアター1010で、足立区制90周年記念千住落語会「桃月庵白酒 独演会~深まる新緑、癒しの白酒~」が開催される。
 性格の良さが優しい眼差しに溢れ、キュートな笑顔が魅力的な白酒。そのますます磨きがかかった話芸が、ファンを虜にしている。
 鹿児島県の名門校・県立鶴丸高校から、早稲田大学社会科学部に進学した白酒は、落語研究会に所属したことで落語の面白さに目覚めた。周囲が就職活動に追われる様子を傍目に見ながら、迷うことなくこの道を選択。
 自称「声フェチ」の白酒は、五街道雲助の美声に惚れ込んで入門を希望した。学業優秀な白酒は、「落語がダメなら勤めればいいや」と軽く考えたが、いざ入門を願い出るとなると、「このまま落語家になってしまって大丈夫か」と急に不安になり、師匠の自宅前を行ったり来たり。そんな白酒の不安を取り払うべく、1992年、雲助は初の弟子を温かく迎え入れた。
 師匠の期待通り白酒の成長は目覚ましく、2005年に真打に昇進し、三代目「桃月庵白酒」を襲名。受賞歴も、1999年・北とぴあ若手落語家競演会奨励賞、2005年・第10回林家彦六賞、2011年・平成22年度国立演芸場花形演芸大賞、同年・平成22年度彩の国落語大賞など多数。
 2014年には、国際交流基金「文化芸術交流海外派遣助成」事業により、スイス、チェコ、オランダ、デンマークで高座を行い、グローバルに活躍した。
 落語以外では、第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門の作品賞を受賞した「ももいろそらを」で、小林啓一監督に気に入られて「印刷屋のおやじ役」で出演。同監督による「ぼんとリンちゃん」では、友人探しに奔走する主人公に協力するネットカフェの住人を好演した。
 高座では、師匠に負けない美声で、大爆笑のマクラからクセのある登場人物へするりと移行し、本格古典落語をたっぷりと聴かせてくれる。
【日時】5月25日(水)午後2時。※開場は開演の30分前【料金】(全席指定)3800円、※フレンズ会員・足立区民(在住・在勤・在学)割引あり。※未就学児入場不可【チケット】TEL5244・1011