足立朝日

踏切事故から17年 竹ノ塚「開かずの踏切」解消 新駅舎も利用開始

掲載:2022年4月5日号
 もう踏切の音は聞こえない。3月20日(日)、長年待ち望まれていた竹ノ塚駅付近の「開かずの踏切」が解消された。急行線、緩行線全てが高架上を走る姿に、多くの人々が感慨深げに高架下から見上げるように写真を撮っていた。

 平成17年(2005)、竹ノ塚駅南側の大踏切で遮断機の誤操作により準急列車にはねられ、2人が死亡、2人が負傷した事故から17年。3月15日(火)には、事故が起こった午後4時50分頃に合わせて遺族代表、近藤やよい区長らが参加し、黙祷と献花が行われた。
 20日(日)から新駅舎の利用も始まった。これにより、仮設の地下改札も閉鎖。改札入口はこれまでよりも少し北側になった。また、東口にあった駅ビルは廃止され、今後ビルをどうするのか、何が出来るのかについては現在未定。多くの店舗が入っていただけに、商業施設になるのか続報を待ちたい。
 新駅舎のデザインは駅利用者のアンケートの「明るい、シンプル、自然的」という意見を参考に作られた。ホームは、駅前広場に面した部分をガラス張りにしたほか、屋根材にも透過性のある材質を使い、自然光を取り込むような設計でかなり明るい。さらに、自然的という部分を表現するために、東武線では初めてホーム天井を木組みにするデザインを採用した。
 他にも、トイレの待合スペースには、足立区の姉妹都市である鹿沼市の木材を使用したベンチ、ストレッチャーが乗れる20人乗りの大型エレベーターなど駅利用者が快適に使えるような造りになっている。
 今後は駅ビル以外にも、引上線(竹ノ塚駅始発電車の待機場所)の高架橋築造や仮設ホームの撤去、西口交通広場の整備、高架下の利用など、全ての事業終了する令和5年度末まで工事は続いていく。

写真上から①伊興方面から東側を見たかつての踏切跡。高架下をスムーズに人や車が通る
②新駅舎入口
③東口駅前広場。左が旧駅ビル。右が新駅舎
④献花台には多くの花が添えられていた