足立朝日

「市川森一脚本賞」 第10回は 加藤拓也さんに

掲載:2022年4月5日号
 「市川森一脚本賞 第10回贈賞式」(主催=同脚本賞財団/遠藤利男理事長)が3月26日(土)、千代田放送会館(千代田区紀尾井町)で開かれ、「きれいのくに」を手がけた脚本家・演出家の加藤拓也さん(28)に賞金・記念品が贈られた。
 同賞は、元日本放送作家協会理事長・脚本家・作家の市川森一さん(シアター1010初代館長)の功績を称え、優れた作品を執筆した脚本家を選奨するもの。
 同作品は、最新AIを多用し、昨年4月12日から全8回、NHK総合で放送。「大人が同じ顔をしている世界に生きる高校生たちの恋」を軸に、これまでにないストーリーが展開され、「青春ダークファンタジー」として注目された。
 現役プロデューサーらによる選考委員からは、「夢や異空間に馳せる独特な想像力で物語を紡ぐ、豊かなチャレンジ性と秀逸な作家性のもとに、時代を背負って活躍する」と高く評価された。加藤さんは「脚本と映像の両方をご覧いただいた上での評価であることを、大変ありがたくうれしく思います」と喜んだ。
 サプライズとして、同作品に出演した「新しい地図」の稲垣吾郎さんが、加藤さんに花束を贈呈。プロデューサーの訓覇圭さん、演出家の西村武五郎さん、高校生役を演じた青木柚さんも登壇。稲垣さんは、ダイナミックなCG撮影への驚きと、リズミカルな脚本により自然な演技ができたことに触れた。青木さんは、優れた脚本が多くのアイデアと十分な稽古により形になるプロセスを経て、良い経験を積めたことに感謝。
 市川さんの逝去から10年、妻で女優の美保子さん(同財団理事)は「毎年1月の選考会から3月の贈賞式まで、楽しい時を10年も過ごさせていただいています。皆様に心から感謝申し上げます」と感慨深く語った。

写真上/左から訓覇さん、青木さん、稲垣さん、加藤さん、西村さん(撮影=小林靖子さん)
下/市川美保子さん