足立朝日

「巨大な水たまりにしてはいけない」 花畑運河開削90周年記念 大講演会

掲載:2022年4月5日号
 NPO法人エコロジー夢企画(三井元子代表)が事務局を務める「花畑運河開削90周年記念イベント実行委員会」主催の記念講演会が、3月5日(土)午後1時半~4時半、北千住駅マルイ10階にあるシアター1010講義室で開かれた。
 「花畑運河の今昔、そして未来」と題して行われたこのイベントには、会場に47人、WEBで28人が参加。
 最初に、三井代表がスライドを使いながら「花畑川の歴史と文化」について説明。続いて講演では、竹村公太郎日本水フォーラム代表理事が、江戸幕府を開いた徳川家康の関東開発の話から始め「150年ほど前の江戸には、多数の運河があったが、その運河は共同体の形成に大きく貢献した」と話した。
 日本プロジェクト産業協議会JAPIC主席研究員の松林正之氏は、名古屋市にある中川運河がいかにして再生されたかをその計画から振り返り「地域住民の積極的参加で、沿岸の倉庫内を含め色々な文化イベント、アート、花作りなどで毎年『まつり』が盛り上がっている」と語った。
 最後に行われたシンポジウム「花畑川の未来と可能性について」には、講演した2氏のほか司会を含め5人が参加、会場からの意見も聞いて活発に議論した。
 「水辺に近づいて色々なことが体験できるのが一番」「大切なのは、中川、綾瀬川にある水門を絶対に閉めないこと。花畑運河を、巨大な水たまりにしてはいけない」などの意見が出た。

写真/活発な議論が行われた講演会=シアター1010講義室で