足立朝日

春は出会いと別れの季節 各地域や学校で卒業関連イベント

掲載:2023年4月5日号
 季節は「春」。この時期、学校の前を通ると、卒業式や入学式の様子が目に飛び込んでくる。区内では3月に区立小学校を5163人が、同中学校を4592人の生徒たちが巣立った。4月6日(木)には小学校に4641人が、7日(金)には中学校に4383人の生徒たちが入学する(いずれも3月15日時点の人数)。学校と子どもたちを追った。

◆空に舞うバルーンで卒業祝う
 江北地域で3月、小中学校の空を、卒業を祝う風船がカラフルに彩った。
 「バルーン・リリース」が行われたのは、江北桜中学校、扇小学校、江北小学校の3校。3月24日(金)に扇小(卒業生47人)と江北小(同87人)でそれぞれ卒業式後に、江北桜中(卒業生124人)では卒業式に先立ち15日(水)に実施された。主催は「地域にエールを贈る会」(齋藤直秀会長)、㈱エアロテックがバルーンの準備を協力している。
 同イベントは今年で3回目。2021年、コロナ禍により学校や地域の行事が相次いで中止される中、「卒業生に何か思い出になることをしてあげたい」と、地域有志が奮起。高野小を含めた4校で「江北地区の卒業生にエールを贈るバルーン・リリース」を実施した。これを機に「エールを贈る会」が発足し、昨年は都立足立西高校も加えて5校で行われた。
 江北小は昨年、高野小と統合し、今回が新校舎での初の卒業式となった。人工芝の校庭に、晴れやかな笑顔の子どもたちが卒業式を終えて集合。送る会のスタッフやPTAらから渡された2つのバルーンを、「卒業おめでとう」の声とともに一斉に放し、様々な色が舞い上がる光景に歓声が上がった。風に乗ったバルーンが向かった隣の東京女子医大で、窓から手を振る人の姿もあった。
 記念写真を撮っていた女子4人は「きれいだった!」と笑顔。うち1人は高野小出身で、「すぐに仲良くなれた。江北小は面白い人ばかり」と話した。同じく高野小からの男子2人は「友だちが増えた」「体育大会が盛り上がった」と1年間の学校生活を振り返った。
 齋藤会長は、「できればこれからも続けていきたい」と、子どもたちの様子に目を細めた。会は町会、自治会、学校の枠を超えた地域コミュニティづくりを目的にしており、昨年は町会のクリーン作戦に参加。今後は旧江北小校庭で開催していた「子ども夏祭り」の後継になるような地域全体のイベントや、来年の江北小創立150周年に向けてのイベントを計画したいとしている。
◆宮城小で卒業生たちが地域への感謝を込めた企画を実施
 2月27日(月)~3月1日(水)、宮城小学校(出水典克校長)を卒業する6年生たちが、お世話になった地域のために出来ることを企画した「Wishプロジェクト」が実施された。
 同プロジェクトは、W=私たちが、i=愛している、s=すてきな、h=ホームタウンの頭文字で昨年末から企画進行が進められてきた。
  2月、子どもたちはボランティア先の場所を決め、それぞれの班に分かれてどのようなことが出来るか話し合って検討。企画内容をそれぞれのボランティア先に提案、相談し準備をしてきた。
 さらにボランティア実施日をむかえ、2月27日(月)には学校近くのスーパー「コモディイイダ」に店の販売促進につながるようなレシピ「包まない焼売」「具だくさんカレースープ」「簡単パフェ」を考えてポップにし、店舗に届けた。3月2日(木)~5日(日)までレシピと合わせた関連商品を集めたコーナーが店内に設置された。
 また、28日(火)には近くの保育園で園児と交流したり、荒川河川敷や学校そばの公園の清掃を行った。
 河川敷の清掃に参加した上原夏さんは「不法投棄のゴミがたくさんあってビックリした。ゴミ拾いで街がきれいになることでたくさんのメリットがある。学校のまわりがきれいになってうれしい」、伊東智輝くんは「小学校のマラソン大会でお世話になった河川敷には、目の付きにくいところにゴミがたくさんあったけど、みんなで拾ってきれいになって良かった」と話した。

写真上/瞬く間に飛び立っていく風船を見送る卒業生たち=江北小で
中/いつも遊んでいる場所をきれいに清掃=南宮城公園で
下/子どもたちが作ったポップがコモディイイダに設置された