足立朝日

羅針盤 VOL.141

掲載:2023年6月5日号
 ――緑なす茶畑すがし芯を摘む――
 毎年のように、5月末に茨城県久慈郡大子町にお茶摘みに行っている。同町には、約30軒のお茶農家があり、「大子茶」は商業茶の北限だ。同町から少し北へ行くと、もう福島県。
 1軒の農家が、約1坪の茶畑を1年間安価で貸し、5月末にお茶摘み体験や新茶飲み、お蕎麦やお餅食べなどの「オーナーまつり」を実施。何と35年も続く「まちおこし」である。
 小生が最初に行った頃、畑に「足立区勤労福祉サービスセンター」の立て札があった。少し前まで、同センターが一事業として借り、区民がバスツアーでお茶摘みに来ていたとのこと。びっくり。
 お茶園のご主人曰く「今年は、温暖化で葉の成長が早く、オーナーさん用の畑だけ残して、茶摘みは済ませました」。マイナスイオンたっぷりの茶畑で癒される約90人のオーナーたち。昔多かった子どもたちの姿は少ない。
 温暖化は、少子化とともに待ったなしである。あるオーナーがポツリ。「4兆円の防衛費、軍事費の前にやることあるんじゃないの」――。     (編集長)