足立朝日

羅針盤 VOL.144

掲載:2023年9月5日号
 7~8月の熱帯夜(最低気温が25度以上の夜)の新記録が続き、物価が上がって家計は火の車、とカッカ来ている時に、「皆の声を聴く」と言って何も聴こうとしない政府の責任者が、ガソリンが何と185円になった時にのこのこと出て来て「補助を続ける」と、いつもの抑揚のない言葉で話している。支持率が落ちるわけだ。
 家の近くの都立公園の木立にいるシジュウカラたちが、珍しく騒いでいる。コミニケーションがとれ、カラスより利口と言われるシジュウカラだ。「さては、人間世界のことがわかるのか!」と見ていると、木立から飛び出て来たのはオナガだった。闖入者への反撃の騒ぎだったようだ。
 ところで、毎週火曜、夜6時半からのBS8「鬼平犯科帳」の故中村吉右衛門がいい。もちろん池波正太郎の原作が成せる技だが……。「罪」は断罪するが、それを犯した「人間」の「育ち」や「環境」を憎む鬼平。しかしそこに「人間」としての「情」が常にある……。人間が人間として生きることの出来るやさしい「情」のある社会を作りたいものだ。   (編集長)