
2月2日、両国国技館で玉ノ井部屋の元大関栃東親方(31)の引退相撲と断髪式が行われた。断髪式には星野仙一・野球日本代表監督、元横綱貴乃花親方、横綱・朝青龍、柔道の井上康生らおよそ300人が参加し、まげにはさみを入れた。父で師匠の玉ノ井親方(元関脇栃東)が最後に止めを入れると、大粒の涙を流した。

父の玉ノ井親方が最後の止めを入れた はさみを入れる貴乃花親方

丸刈りになった断髪後は「入門時と同じ髪形でスッとしました。これからも我慢強い弟子を育てていきたい」と話した。 元大関栃東親方は、明大中野高校在学中の94年11月に初土俵を踏み、96年5月には十両にスピード昇進。同年11月に新入幕を果たす。01年に大関に昇進し初優勝。その後横綱を期待されながらも怪我に泣き、異例とも言える2度の関脇陥落からの復活や、8度の角番脱出など、その度に不屈の精神力を見せつけた。多くのファンに惜しまれながら昨年5月、大関で現役を引退。優勝3回、大関を30場所務めた。
現在も部屋付き親方として後進の指導に当たっているが、今後は師匠の定年と同時に、玉ノ井部屋を継承。「自分が成し遂げられなかったものを、若い衆に頑張ってもらえれば」と話した。