足立朝日

日本ユースライトフライ級王者 無敗の二十歳 坂間選手 足立区から世界一目指す

掲載:2024年2月5日号
 足立区のプロボクサー、坂間叶夢選手(20)が、デビューから9戦9勝の快進撃を続けている。日本ライトフライ級3位。新時代に新たな星が輝く。

 坂間選手は弘道第一小、第十一中、淵江高校を卒業し、現在は竹の塚のワールドスポーツボクシングジム(WSB)に所属、足立で育ってきたホープだ。
 昨年7月25日(火)に有明アリーナ(江東区)で行われた日本ユースタイトルマッチで、8回レフェリーストップのTKO(テクニカルノックアウト)を奪い、日本ユースライトフライ級チャンピオンの座を獲得した。WSBにとっても初のユース王座で「このジムで初めてのベルトを取れたのがうれしかった」と坂間選手は話す。 
 井上尚弥vsマーロン・タパレスで話題となった昨年12月26日の「世界スーパー・バンタム級王座統一戦」では、第3試合の49・5㎏契約に出場。ジョン・ポール・ガブニラス(フィリピン)に5回KO勝利を納め、4連続KOとなった。
◆とにかく楽しい
 幼稚園の時に通っていた空手道場の師匠から勧められて、小2でキックボクシングを始め、小4でボクシングへ転向。小5の時にU―15で優勝したのが、初めての大きな手応えとなった。その後の2年は準優勝に甘んじたが、中2で再び優勝、中3でジュニアチャンピオンリーグを制し、高校入学後にWSBに入ってプロを目指し研鑽を積んだ。
 2021年のプロデビュー戦を3回TKOで勝利して以来、無敗を続けている。その強さの裏にあるのは「自分が一番弱いと思って練習している」というひたむきさだ。「本当に弱かったので。下から這い上がっていくやつは強いと思っているので、その気持ちを忘れずに」
 坂間選手にとってのボクシングの魅力は「自分でもまだわかっていないんですけど、強くなりたいと思い続けている気持ちが楽しい。練習も試合も全部楽しい」。きつい減量も苦にならないという。
 大学に進学した友人たちの応援も力になっている。「友だちが頑張っているのを見て自分も頑張ろうと思うし、逆に僕の試合を見て頑張ろうと思ってくれたらうれしい」
◆ボクシングは技術のスポーツ
 1月の「二十歳の集い」に羽織袴で出席。引退するまでアルコールは飲まないと決めているため、20歳になっても生活に大きな変化はないが「かっこいい大人になれたら。人にやさしくできる人がかっこいいかな」。真摯な言葉が返ってくる。
 ボクシングというと、ヤンチャなスポーツのイメージを持たれがちだが、坂間選手の清々しい笑顔からは、楽しくて仕方ないという純粋な気持ちが伝わって来る。
 「ただの殴り合いと思ってほしくない。オリンピック競技にもなっているスポーツで、技術もたくさんあるので、楽しいものだと思って見てもらえれば。パンチをどう当てるか、どうよけるか、このパンチを当てるのはどの角度が必要なのか。練習していて発見があるし、やればやるほど楽しくなる」。目指すは世界一。「今、日本3位なので、チャンスがあるベルトから取りに行きたい」
 今年最初の試合は3月18日(月)の「フェニックスバトル112」(午後6時開始予定、後楽園ホール)。プロ10試合目、初のユースの防衛戦でもある。「しっかり勝つ」と力強い。
 読者へのメッセージを尋ねると「ワールドスポーツに来てもらえたらうれしいです。女性会員も増えてきているので。全身運動なのでダイエットにもなります」。40、50代も多いとのこと。所属ジムへの愛も頼もしい。
【ワールドスポーツボクシングジム】竹の塚6-16-7オレンジビル(竹ノ塚駅東口徒歩1分)TEL5647・8969

写真上/昨年7月、日本ユースライトフライ級チャンピオンに
(写真は全て坂間選手提供)
中/練習の様子
下/昨年12月に9勝目