足立朝日

Vol.237シアター1010 20周年記念 千住落語会 vol.27「春風亭一之輔 独演会」

掲載:2024年7月5日号
一之輔 3年ぶりに待望の再登場

 シアター1010が20周年を迎え、様々な取り組みが進行中だ。そのひとつ「千住落語会」は、ファン待望の「春風亭一之輔 独演会」を開催する。
 昨年2月、国民的長寿番組への一之輔レギュラー入りが発表されると、世の中は喜びと驚きで大混乱となった。特に落語ツウからは「噺家・一之輔の芸風が、大喜利お笑い番組にフィットするのか?」と疑問符で迎えられたようだが、ふたを開ければとんでもない! 「番組始まってからずっと居ます」という風格を醸し出しながら、爆笑回答を連発!やはり一之輔は、底知れない能力とセンスの持ち主だ。
 「そもそもチケットが取れないのに、さらに取れなくなった!」という嘆きに対応し、年間900席を超える高座を継続中だ。滑稽噺から人情噺まで200を超える持ちネタがあるが、噺に洒落・駄洒落・ギャグなどをふんだんに盛り込み、古典落語を老若男女が楽しめる内容にする創意工夫が抜群! さらに、登場人物の設定を、今風のキャラクターに創り変える技が素晴らしく、一之輔により誰もが落語の面白さに目覚める。
 2001(平成13)年5月に春風亭一朝に入門後、2012(平成24)年3月には、21人抜きで真打に昇進。それ以来、寄席、ホール等どの会でも余すところなく力を発揮し続けている。2020年、世界を震撼させた新型コロナウイルスが拡散する中で、落語界も休止状態に陥った。楽しみを失ったファンのために、一之輔はYouTubeによる落語生配信に挑戦。落語を知らない世代にもその楽しさを伝授し、人々の心を豊かにした。
 受賞歴は数知れず、2008年「第4回 東西若手落語家コンペティション優勝」を皮切りに、2010年「平成22年度文化庁芸術祭新人賞」、「平成23・24年度 国立演芸場花形演芸大賞」連続「大賞」、2015年「平成27年度 浅草芸能大賞 新人賞」などなど。
 この秋、シアター1010には、一之輔の話芸に魅せられた人々の笑顔の花が咲くに違いない。
【日時】10月18日(金)午後6時30分【料金】4000円 ※フレンズ会員・足立区民(在住・在勤・在学)割引有、未就学児入場不可【発売日】8月2日(金)午前10時から ※窓口販売・予約引取開始8月4日(日)【チケット】 TEL5244・1011

写真/©キッチンミノル