足立朝日

あいのわ福祉会 周年祝う 地域の障害者を支えて30年

掲載:2024年10月5日号
 社会福祉法人あいのわ福祉会(橋本弘理事長)が設立30周年を迎え、9月8日(日)、シアター1010ギャラリーで記念式典が行われた。
 同法人は「足立肢体不自由児者父母の会」を母体として設立。1982年に「父母の会」が特別支援学校卒業後の行き先として「東六月あかしあの家」を皮切りに3施設を開所し、1994年に法人化、2002年に現在の名称となった。当時、当事者の父母による施設開所は画期的で、法人化は区内初。現在は生活介護事業所、多機能型事業所など、区内で8施設24事業を運営している。
 その根幹には「どんなに障害が重くても地域の中で暮らしていきたい」との父母の願いがあり、イベント開催や自主生産品販売を通じて施設周辺の住民と交流を図ることで、実現してきた。
 式典も法人の真摯な姿勢が反映。感染症にハイリスクな利用者と日々接している現場への配慮から、各テーブルには焼菓子が用意され、会食ではなくティーパーティーの形式が取られた。
 施設利用者がこの日の為に作った色とりどりの記念ボードに出迎えられ、元理事長の岸本美惠子氏(評議員)、前理事長の鈴島妙子氏(相談役)をはじめとする関係者や、都議会議員、区議会議員などの来賓を含む約170人が出席。橋本理事長は挨拶で設立の歴史に触れた後、「今は曲がり角の時期。利用者の個性に合わせて質の高いサービスを提供し、選んでもらえる施設が求められている。必要とされる社会福祉法人を目指していく」と決意を新たにした。
 来賓祝辞では近藤やよい区長、多田太郎区議会議長らが、功績と未来に向けてエール。「父母の会」から寄付の贈呈があり、蔵津あけみ会長が「娘から1日の出来事を聞くのが楽しみ。職員が利用者のことを親身に考えてくれていることが伝わる」と感謝を述べた。
 記念ビデオも上映され、法人30年の軌跡と、笑顔弾ける職員と利用者の姿が映し出された。最後は「和太鼓グループ彩―sai―」の3人の演奏が華を添えた。

写真上/入所者制作の華やかなボード
下/あいのわ・橋本理事長(左)と父母の会・蔵津会長