足立朝日

羅針盤 VOL.160

掲載:2025年1月5日号
 さて、新年になった。年初の合言葉は「いい年になりますように!」。「いい年」とは「幸せに感じる年」のことである。
 ガザ、ウクライナ、シリアと、全世界で理不尽な戦争が続き、いたいけな子どもたちが命を落としているだけに、素直に「おめでとう!」とか「HAPPY NEW YEAR!」とかの言葉は言えない想いだ。 あのTVやSNSの画面で、やせ細って母親にしがみつく子どもや鋭い瞳でこちらを見ている子どもたちに、何もできない庶民は、ただただ祈るだけなのか。
 ポーンと5兆円とかいう想像もつかない大金をアメリカのトランプに投資してニコニコ顔のいつものおじさんがいて、「会えた、会えたよ」と随喜する元首相の妻がいる。
 全国の「子ども食堂」が、この1年で1734カ所増え、初めて1万カ所を超えたという。物価上昇により稼働が難しくなっているケースも多いそうだ。
「世界中の人々、ひとりひとりの涙をふいてやりたい。人類全体を我々は一つであると感じたい」(マハトマ・ガンジー)――。
 世界が、差別や格差もなく一つになれる時代は、一体いつ来るのか、ああ!?  (編集長)