足立朝日

大河「べらぼう」の主人公・蔦重 堀口茉純さんが浮世絵で講演

掲載:2025年2月5日号
 放送開始早々から話題の大河ドラマ「べらぼう」。その主人公・蔦屋重三郎蔦重の実像に迫るあだち区民大学塾特別講演会が、1月13日(月・祝)、学びピア講堂で開かれた。
 主催はNPO法人あだち学習支援ボランティア「楽学の会」、足立区、区教育委員会。講師はおなじみ足立区出身の歴史作家・タレントのほーりーこと堀口茉純さん。浮世絵を投影しながら今の若者言葉も交え、わかりやすく解説した。
 「べらぼう」第1話では、蕎麦屋の主が蔦重に「吉原の男が遊びに行く(岡場所)のは千住」と話す場面があった。品川・千住・内藤新宿・板橋の四宿のうち、千住宿は吉原に一番近かったことを当時の地図で示し、「千住は今年開宿400年。ドラマの中で今後、千住宿も絡んでくることを期待」と堀口さん。
 吉原では身分を超えた宴会が頻繁に開かれ、「刀を預け、武士も商人も対等の文化サロンだった。他ではなかったこと」と、文化発展の下地を指摘。その上で、蔦重は「ビッグネームの起用に加え、新人発掘が巧みだった」、「キャラクターグッズビジネスの走り」など、独自の発想で次々にピンチをチャンスに変えていったことが語られた。黄表紙の荒唐無稽な内容には客席も爆笑、現代でも通じる蔦重のプロデュースの才能を共有した。
 47歳で病没後、石川雅望、大田南畝の碑文から、「蔦重を好きだったことが伝わってくる」と締めくくられた。今年の大河ドラマがより楽しめる学びの時間になった。

写真上/堀口さん
下/数々の浮世絵を通して解説