足立朝日

六町の放駒部屋 エグプリが 朝稽古見学 力士たちに圧倒

掲載:2025年2月5日号
 放駒部屋(六町1-Ⅰ-11)が足立区に移転して、4月で3周年となる。放駒親方(元関脇玉乃島)以下、幕内の一山本関(西前頭六枚目)を筆頭に、十両の島津海関、幕下力士7人他が所属。2年前からの「足立未来まつり」(花保さくら公園)に続けて出演するなど、地域の人々と交流が進んでいる。
 その朝稽古に1月7日(火)、「えんチャレ」登録のユーチューバー「エッグ&プリン」(以下エグプリ)のヒドンナさん(区内在住)と渋谷りゅうきさん(町田市在住)が訪れた。昨年の未来まつりでエグプリが司会を務めた際、「一緒に足立区を盛り上げたい」と放駒部屋と意気投合した。
 2人は朝8時半からの稽古に徹夜で駆け付け、初めて目の当たりにする力士たちの熱気と激しい息遣いや、大きな音を立てて容赦なくぶつかる迫力に圧倒されていた。
 稽古後は、指導時の厳しい眼差しとは打って変わって、穏やかで気さくな親方から、ちゃんこをふるまわれるサプライズ。調理は力士が日替わりで担当。「稽古で汗をかくから味が濃いんですよ」と気遣う親方に、2人は「すごくおいしいです!」と舌鼓。りゅうきさんはおかわりをする健啖ぶりを見せた。
 インタビューには、一山本関、流馬さん(三段目)、若一輝さん(序二段)が快く対応。一山本関が初っ端から「見学の時、寝てましたよね」とりゅうきさんに先制攻撃し、「大丈夫、ぼくも立ってなかったら寝てたから」とすかさずフォローも入れる芸人顔負けのトークで、エグプリの緊張をほぐした。
 ヒドンナさんは「立ち向かっていく姿が、すごかったです」と稽古の感激を伝え、「四股名は自分で決めていいと聞いた。由来は?」と質問。「字画は9画がいいからと、本名に一を足した」(一山本関)、「前の師匠が若島津だったので、若をもらって本名に付けた」(一輝さん)、流馬さんは競馬場に写真を撮りに行くほど好きな馬と本名から命名するなど、それぞれ。
 仲が良く、力士同士で遊びに行くこともあるそうだが、一人暮らしの一山本関は「インドア派。家からほとんど出ない」と意外な一面が。教育委員会から角界入りした異色の経歴の持ち主だ。
 メンタルケアの仕方は、「1回沈んで、浮上する」(流馬さん)、「寝たら治る」(一山本関)、「やる気が出る動画を見たり、音楽を聞いたり」(若一輝さん)と三者三様。意見が一致したのは、親方について問われ「真面目。尊敬している」。説得力ある指導のため自身もジムで鍛え、稽古のみならず生活面でも一人一人をちゃんと見てくれている、と絶大な信頼を寄せていた。
 今年の目標を発表。一山本関は「三役ですね」、流馬さんは「一つ上の段階に行く」、若一輝さんは「優勝したい」、りゅうきさんは「街でエグプリの人じゃない? と言ってもらえるように」と、それぞれが飛躍を誓った。
 交流は終始笑いが溢れ、賑やかに終了。「地域の人に支えられて成り立っていくものだと思うので、応援してもらえるように頑張って行きます」と一山本関が締めくくった。
 朝稽古は、いつでも見学可。差し入れは大歓迎で、「差し入れ、ごっちゃんです!」。力士の頑張りと笑顔を見に行こう。

写真上/左からりゅうきさん(エグプリ)、ヒドンナさん(同)、一山本関、若一輝さん、流馬さん
下/ハードな稽古の様子にエグプリ(手前)も緊張