足立朝日

足立FMを立ち上げるFM準備会代表 山田 忠 さん(51) 千住旭町在住

掲載:2025年3月5日号
「地域を盛り上げたい」の思いで一直線

 真面目に一途で、一生懸命――周りの人がそう評する人だ。何せ、小学校、中学校の時からの放送委(部)員が、足立に地域のラジオ局、コミュニティFMを開局させるために、関係機関と協議を重ね、準備を着実に進めているのだから……。
 山田さんは、青井で設計士の父と裁縫を仕事にする母の間に生まれた。青井小学校、青井中学校を出たが、青井小では放送委員となり、給食の時間にお昼の放送を担当した。それだけではない。運動会では、カメラを回し録画・記録の担当も行った。
 青井中学では、放送部に入り、お昼の放送をしたり、文化祭をカメラで録画・記録したりして活躍。「とにかく楽しかったですね」と話す。
 中学卒業後は、台東区内の郵便局で、4年間郵便配達のアルバイトとして働いた。「中学校を卒業して間もなく始めたアルバイトでしたが、職員の方々にとても親切にしていただき、良い思い出です」と当時を振り返る。
 その後、都内の鉄道会社に就職、駅の係員から車掌になり、運転手士の免許を取って勤務していたところ、都内と茨城県南部を結ぶ新規路線の試験走行に合せて出向、23年間鉄道員として働いた。
 10年程前に、「足立区にコミュニティFMを作ろう」という動きが出て来た時には、個人として諸手を挙げて参加した。ところが、その動きは頓挫。「参加していた方々は、皆さん開局に熱意を持っていたものの、なかなかまとまり切れなかったんですね」と当時を振り返る。
 ずっと「地域を盛り上げたい。魅力ある街にしたい」と考えて来た。消防団員としても活動する山田さんは、2011年に起きた東日本大震災以降、「万が一の災害発生時には、一つの命綱になりたい」という思いが加わった。「損得抜きに一途に」が、山田さんの座右の銘になりそうだ。
 趣味は、街歩きとラジオを聞きながらのマラソンとか。新型コロナウイルス発生前には、千住新橋付近がスタート地点のタートルマラソン大会にも参加。「その時は、さすがにラジオを聞きながらではなかったですがね。でも、色々な人と交流出来て楽しかった」
 「今度こそ、コミュニティFM開局の夢をかなえたい」と言う。「番組をやりたい方は、ぜひ応募してください。歌でも演奏でも語りでも何でもOKですよ。難しく考えないでまずは連絡を」と山田さんの自然体の訴えは続く――。