
土地利用について注目を集めていた北千住駅東口のJT跡地に、東京電機大学が来ることが6月24日、区から発表された。開学は平成24年4月の予定。これにより、放送大学、東京芸術大学(旧千寿小跡地)、東京未来大学(第二中跡地)、帝京科学大学(元宿小跡地・平成22年開学予定)と合わせて、足立区に5つ目の大学ができる。北千住はその全てが集う学生の町へ変わる。

【経緯】
24日、同大学は土地の所有者であるJTと土地売買契約を締結、UR(都市再生機構)と土地売買契約の確認書を交わした。
足立区はこれまでも文化教育立区を目指し、積極的に大学誘致を行ってきた。北千住駅東口の第十六中学校跡地の誘致活動の際、視察に訪れた同大学がJT跡地に着目。区がJT側に橋渡しした。
近藤やよい区長は記者会見で「北千住は研究都市つくばと、電気街・秋葉原をつなぐTXの中間地点。ロボット工学など最先端の学部がある同大学は、あだちの産業などと連携、活性化につながる」と期待をこめた。
【東京電機大学】
明治40年(1907年)、神田に私立電機学校として創立し、19万人を輩出。神田、小金井、千葉県、埼玉県の4キャンパスで1万2000人が学ぶ。
昨年の創立100周年を機に、キャンパス再構築を計画。本部機能と記念館を除く全ての神田キャンパスが、北千住に移転する。工学部、未来科学部、大学院などで、学生数は約5000人。
【敷地利用】
JT跡地の敷地面積は3・4㌶。このうち大学は1・9㌶を取得。地域貢献施設、産学連携施設、国際共同研究施設などが併設される。
敷地に囲いは設けず、緑の多い空地を広く作って地域に開放、防災拠点としての非常時用設備も予定。地域住民の憩いと安心の場所を兼ねる。
大学取得以外の敷地には駅前に交通広場と、大学を東西に分断する形で都市計画道路が設置される。南西側の7000㎡は、URが12月以降公募で売却する。地主が決まり次第、区がまちづくりについて協議する意向。
【地元の反応】
跡地利用は街の将来を大きく左右することから、住民によるまちづくり連絡会(岩城武会長)が、区と協議を重ねてきた。住民側の意見をまとめた陳情では、ホテル、大学、病院など地域活性につながる施設の要望が上げられていた。岩城会長は「教育施設がきてくれることで、いっそう活気があふれる」と話す。
27日に千寿常東小で開かれたまちづくり説明会で、区がまちづくり計画の変更案を発表。住民の間では、風害、日照被害などに対する不信感が強く、100mの高層建物が建つ可能性への不安の声が出た。
建ぺい率80%の現在の土地利用では、高さは15階程度だが敷地内いっぱいに建つ可能性があり、空地も緑もない息苦しい空間になると予想される。区は西口のミルディス(29階建て)を挙げ、空地が多いノッポビルの方が風害、日照への影響が少ないと説明。一部敷地の用途変更により建ぺい率を下げて容積率を上げることで、階層は高くなるが、空地の広いゆとりある空間が創出できるとしている。また、区による敷地一部取得の可能性はなくなったと報告した。