足立朝日

Vol.82-「葉っぱのフレディ~いのちの旅~」

掲載:2009年6月5日号
宝田明
高らかに歌いあげる生命の循環と環境


 聖路加国際病院の日野原重明理事長の企画・原案によるミュージカル「葉っぱのフレディ~いのちの旅~」(原作=レオ・バスカーリア/訳=みらいなな・童話屋刊)が誕生してから10年。06年には皇后陛下が観劇をされ、大きな話題となった。

  さらに08年には、北海道洞爺湖サミットでも連動プロジェクトとして上演され、歌手の河村隆一が地元・恵庭の子どもたちと、自身が作詞・作曲した同公演のためのオリジナル曲を熱唱。ジュニア8サミットに参加した海外からの青少年たちも会場から大きな拍手を送った。2000年に東京からスタートした同公演は、現在、名古屋・大阪・富山・神戸・広島・福岡など全国の地域に広がり、感動の嵐を起こしている。そしてこの夏、遂にシアター1010で上演される。
 木々の幹に芽吹いたフレディら葉っぱたちは、四季の終わりには散りゆく運命にあるが、それは決して生命の終わりではなく、散った葉っぱは土に還り、それを栄養分として次の年には新しい葉っぱが生まれる……その循環は、地球とその環境によって護られ、永遠に受け継がれてゆく。いわば生命と環境との揺るぎない関わりを、厳しいオーディションで選抜されたジュニアたちが、透き通った高らかな声で歌いあげる。元小児科医のルーク(宝田明)は、葉っぱと共に若者たちを優しく見守り、勇気を与え、「大切なものは何か」を静かにに伝える。
 第6回紀伊國屋演劇賞、第10回ゴールデンアロー賞受賞に輝く宝田は、日本全国での学校公演、さらに原作者の母国・アメリカを始め、海外公演をも視野に入れて、良質な作品に成熟させる喜びを感じている。
 上演日時=7月31日(金)14時・18時半、8月1日(土)8月2日(日)11時半・15時半。チケットTEL5244・1011(シアター1010)。0570・00・3337(サンライズプロモーション東京)。宝田は、7月2日(木)~7日(火)、同劇場にてミュージカル「赤ひげ」の主演も務める。詳細問合せはシアター1010まで。