足立朝日

１秒間の早変わりで夢の世界へ

　「流し目のスナイパー／竜小太郎」が今年もまた、粋でいなせな芝居と、艶やかな舞踊ショーをシアター１０１０で繰り広げる。題して「竜小太郎／特別公演」。今回は、足立区を拠点に広く活躍する、あのブラジルの兄弟「響ファミリー」と、竜を温かく見守る俳優・長門勇が友情出演する。

　芝居は「忠臣蔵」千住寿座の巻。時代劇でありながらコメディ・タッチ。劇中劇での「忠臣蔵」は、人間の温かさがジンワリと伝わり、思わずホロリとくる。
　ひょんなことから浅野内匠頭役を演じることになった芝居小屋御用聞きの政吉（竜）。いざ幕が開いても、肝心の吉良上野介役の源次郎の様子がおかしい。源次郎の異変の原因は、客席の若い娘・お園。その事情を察した政吉の機転で、芝居は想像を絶する展開となる……。
　その他、溜息のこぼれる花魁道中、錦秋に舞い唄う「藤十郎の恋／お梶」、そして絢爛豪華な小太郎相舞踊「矢切の渡し」など、竜小太郎ワールドを存分に楽しめる。
　竜の生まれ育った場所は大衆演劇。そのまま線路に乗って「チビ玉ブーム」を起こしたが、年齢を経て竜の模索が続いた。徐々に「流し目のスナイパー」として変身し、来年は25周年。


　34歳の今、「１秒の早変わり」という大きな挑戦もする。誰も成し遂げたことのない早業は一見の価値あり。ストーリー仕立てのショーも、日常を忘れて夢の世界へと観客を引き込む。渾身のＣＤ「紙芝居」も好評。
　上演日時＝９月17日（木）～25日（金）。初日のみ午後６時開演。18日（金）以降は午前11時と午後３時半開演。全席指定４０００円。足立区在勤・在住者３５００円。千住席１０１０円。シアター１０１０フレンズ会員３０００円。
　チケットＴＥＬ５２４４・１０１１（シアター１０１０）。

写真＝花魁姿と男形