足立朝日

ちぎり絵の五色桜の紙芝居   昔の風景も 江北の百瀬さん

掲載:2009年11月5日号
 江北村の歴史を伝える会が昨年発行した「江北の五色桜―荒川堤の桜ガイドブック―」を元に、江北1丁目在住の百瀬登代子さんが、紙芝居を完成させた。
 百瀬さんが自宅の一室を開放している、「サロンMOMO」を利用している江北小学校の栗原光子教諭が、子どもたちの五色桜の授業に使いたいと製作を依頼。百瀬さん自身、同校出身で五色桜への想いもあり快諾した。
 10月14日、伝える会の定例会で初披露され、その見事な出来栄えに会員たちからは口々に感嘆の言葉が溢れた。
 紙芝居は12枚で、全て和紙や包装紙を使ったちぎり絵。友人の炭谷節子さんの協力を得ながら、一つひとつ丁寧に貼る作業を重ね、完成までに約半年を費やした。「この土地で生まれ育ったので、昔見た風景も入れた」と百瀬さん。土手から見た富士山なども描かれている。
 物語は荒川堤を村人が補修する場面や、清水謙吾の提案で桜の植樹が始まり、みんなが力を合わせて取り組む様子などが、リアルな会話とあたたかい絵で再現されている。最後は美しい桜の名所となった荒川堤の絵に、「6㎞の桜のトンネルは人々の心を魅了したものと思われます」という言葉で締めくくられている。
 製作中、一番苦労したのは文章という。時代考証などわからないことが多く、かなりの手間をかけて資料を集めた。そうして書き上げた文は、江北小の吉川正廣校長がパソコンで入力した。
 伝える会の浅香孝子会長は「文章の一言一言に重みがある、どうやったらまちおこしができるか、まとまっていくかが描かれていた。多くの方々に広げて、ぜひ学校教育でも使っていただきたい」と感激を語った。
 五色桜紙芝居は学校側の希望で会が保管。今後、活用に有効な管理方法を考えていくという

写真=炭谷さんのサポートで紙芝居を読む百瀬さん(左)