市井の人々の生活を、コミカルかつハートフルに描く人情喜劇の大御所・水谷龍二の作品が、シアター1010に再登場する。昨年の「星屑の町・東京砂漠篇」以来の水谷作品第2弾。今回は、菅原大吉と竹内都子夫妻が演じる二人芝居「満月」。二人のために、水谷が書き下ろした力作だ。 菅原は「星屑の町」初演からレギュラー出演し、水谷作品にはなくてはならない深い持ち味の名優。竹内は、お笑い界のアイドル「ピンクの電話」のあの「みやちゃん」だが、元来は大阪芸大で演技演出を学んだ舞台女優。二人の出会いは、お互いが所属していた「劇団七曜日」。松竹の名マネジャーだった石井光三と、故レオナルド熊らが旗揚げしたセンセーショナルな劇団の第一期生だ。当時から現在まで、二十数年間一緒の二人は、あうんの呼吸で「満月」に臨む。同作品は、昨年各地で初演の際、多くの観客のハートをとらえ、早くも再演が決定。
息の合った言葉の応酬キラリ
小さな居酒屋を営む小粋な女将のもとへ、生真面目そうなサラリーマンがやって来る。「お宅の息子が、うちの娘をそそのかして駆け落ちをした!」と攻め立てる男に、世慣れた女将の反撃は……。それぞれの一人娘と一人息子を思う二人の気持ちが、高いテンションの中でキラリと光り、切なく愛しい。水谷作品特有の「日本語の響きの美しさ」が、菅原と竹内の息の合ったセリフの応酬で香り立つ。
菅原は「二人芝居で照れがあるかと思ったら、夫婦ならではの提案をし合って助け合えるので、とてもスムーズ」と竹内をみつめる。竹内もまた、「皆さんに、この作品を二人のライフワークにするといいと言われます。みんなで考えて続編ができたらうれしい」と菅原をみつめ返す。「星屑の町」に対して「月影の町」なるシリーズが生まれそうな気配も。「劇団七曜日時代に、二人暮らしたアパートが、今でも当時のままで建っている」と微笑む二人。「満月」の舞台設定も、ある下町の古い店。ちょうど、北千住の飲み屋横丁のお店から、割烹着姿の竹内と鉢合わせするような錯覚にさえ陥る。
上演日時=10月11日(木)午後7時、12日(金)午後2時開演。料金S席5000円。A席3500円。フレンズ会員割引あり。チケット℡5244・1011。
息の合った言葉の応酬キラリ
小さな居酒屋を営む小粋な女将のもとへ、生真面目そうなサラリーマンがやって来る。「お宅の息子が、うちの娘をそそのかして駆け落ちをした!」と攻め立てる男に、世慣れた女将の反撃は……。それぞれの一人娘と一人息子を思う二人の気持ちが、高いテンションの中でキラリと光り、切なく愛しい。水谷作品特有の「日本語の響きの美しさ」が、菅原と竹内の息の合ったセリフの応酬で香り立つ。
菅原は「二人芝居で照れがあるかと思ったら、夫婦ならではの提案をし合って助け合えるので、とてもスムーズ」と竹内をみつめる。竹内もまた、「皆さんに、この作品を二人のライフワークにするといいと言われます。みんなで考えて続編ができたらうれしい」と菅原をみつめ返す。「星屑の町」に対して「月影の町」なるシリーズが生まれそうな気配も。「劇団七曜日時代に、二人暮らしたアパートが、今でも当時のままで建っている」と微笑む二人。「満月」の舞台設定も、ある下町の古い店。ちょうど、北千住の飲み屋横丁のお店から、割烹着姿の竹内と鉢合わせするような錯覚にさえ陥る。
上演日時=10月11日(木)午後7時、12日(金)午後2時開演。料金S席5000円。A席3500円。フレンズ会員割引あり。チケット℡5244・1011。