足立朝日

Vol.52-昭和歌謡シアター 横須賀ストーリー 魁三太郎

掲載:2007年4月5日号
 子どもからおじいちゃん世代まで、ファミリーで楽しめる作品が、シアター1010で上演される。その名は、昭和歌謡シアター「横須賀ストーリー」。
 昭和50年代の活気溢れる時代に、街中に響き渡った懐かしい歌謡曲をモチーフに、涙と笑いたっぷりのエンターテインメントコメディを上演する「劇団シニアグラフティ」の第4回公演。ゴマキこと「後藤真希」が座長を務め、「坂本あきら」と「魁(さきがけ)三太郎」が燻し銀の魅力を発揮する。昭和の漫才コンビ「サンセットボーイズ」の早瀬(魁)には、逝った妻との間に双子の女の子(ゴマキ2役)がいる。
ゴマキを支える燻し銀の魅力
 男手ひとつでの育児の大変さに悩んだ早瀬は、相方の坂崎(坂本)に妹の養育を押し付ける。お人好しの坂崎は、養育の他、早瀬の借金まで背負い込む羽目に。時は流れて、早瀬は大手プロダクションの社長として成功。娘のミキコを国民的スターに伸し上げた。 かたや坂崎とミキコの妹のマキコは……。ゴマキの早変わりに注目! 劇中歌として、阿木燿子作詞、つんく作曲の「インナーチャイルド」(ゴマキのニューシングル・カップリング曲)も披露される。男性4人組演劇ユニット「パニッシュ」のリーダーとして活躍中の佐野大樹も熱演。
 ひょうきんな早瀬を演じる魁は「今回の作品は、23歳から7年間在団した東京ヴォードビルショー時代とオーバーラップするものがある」と喜ぶ。退団後は、民放の朝の番組のリポーターとして20年間務め上げたが、「お江戸でござる」に出演したことから、役者魂が再び燃え上がり、俳優に復帰。いずれの道でも「誰もやっていないもの」を常に目指す。「魁三太郎」という芸名は、南千住で誕生。難しい漢字に当時は戸惑ったが、姓名判断をしてくれた知人が亡くなる最後の命名のため、逃げ切れず今に至ったと笑う。台東区竜泉生まれの魁は、浅草や千住のツウ。駅前開発される前の千住を熟知し、さらに開発後の町の発展を自分のことのように喜ぶ。
 「お江戸八百八町よりも下町風情があって、改めていい町だなと思う。そこに誕生した劇場だもの、サンダル履きで気軽に観に来てほしい。『正直に生きれば最後は勝てる』『人生に近道はない』など、親に習ったことを伝えられる作品。きっと皆さんに共感してもらえると思う」と微笑む魁。上演期間=4月24日(火)~30日(月・祝)。4800円。チケット℡5244・1011。
座長を務める後藤真希