足立朝日

Vol.49-ソング&ダンス ハムレット 安寿ミラ&斎藤晴彦

掲載:2007年1月5日号
 シェイクスピアの悲劇「ハムレット」が、歌と踊りのエンターテインメント作品として、シアター1010に登場する。
 デンマーク王子ハムレット(安寿ミラ)は、父の亡霊と会い、父が叔父のクローディアス(沢木順)に毒殺されたことを知る。叔父に母・ガートルード(舘形比呂一)をも奪われたハムレットは、復讐を成し遂げるために狂気を装う。狂気の原因が、我が娘オフィーリア(堀内敬子)への恋慕であると感じた重臣のポローニアス(斎藤晴彦)は娘を近づけるが、ハムレットの心は叔父への復讐心だけに燃えている。さらに、叔父と間違えてポローニアスを殺してしまう。悲しみのオフィーリアは溺死し、ポローニアスの息子レアティーズは、ハムレットへの仇討ちを誓う。ハムレットの学友ローゼンクランツに柄谷吾史、親友ホレイショーに石山毅。
 同作品プロデューサーでもある笹部博司の台本、栗田芳宏演出の極め付けの様式美、宮川彬良の優雅なピアノ、ザ・コンボイの舘形比呂一の振付……関わるプロフェッショナルたちのパワーがフルに発揮され、悲惨な復讐劇が娯楽劇へと生まれ変わる。美術は朝倉摂。
「ハムレット」を歌と踊りで楽しく
 宝塚「ベルサイユのバラ」で、劇画から抜け出てきたような「オスカル」を演じた安寿の華麗な男装を、「ハムレット」で再び観られる。「4年前の初演が、宝塚を辞めてから初の男役での舞台。再演が2年前で、今回は再々演。でも、毎回、出演者も演出方法も違うので、怖いけれどとても楽しい。『ハムレット』を演じる一座が、足立区に立ち寄ったという感覚で楽しんでほしい」と安寿。          安寿ミラ&斎藤晴彦
 斎藤は、劇団「黒テント」代表。80年代にはテレビコマーシャルで、クラシックに歌詞を付け、朗々と歌う姿で一躍脚光を浴びた。斎藤は語る。「安寿さんとは、10年前に『検察側の証人』で共演。芝居には歌があると思っているので、歌って踊る『ハムレット』に心惹かれた。『ハムレット』は、知らない人でも知っている作品。また共演できてうれしい」
  安寿が「大好き!」というシアター1010で、またひとつ伝説の作品が誕生する。上演日時=2月3日(土)4日(日)午後2時開演。S席7000円、A席5500円。チケット℡5244・1011。