足立朝日

スリルとサスペンスの驚愕の結末

　テレビ、舞台、映画、ラジオ、ナレーション……ありとあらゆるジャンルを自然体でこなす西村雅彦。あの優しげな表情が、コメディ、サスペンス……次々と役に染まり、まるでその人生を生きているかのごとく楽々と変貌を遂げる。
　この５月、西村はシアター１０１０の舞台に立つ。演目は『ナンシー』。西村は、その思いを語る。「02年より『ドリス＆オレガコレクション』と銘打った舞台を、事務所のパートナーたちと立ち上げました。１年に１本のペースですから、結構な数になりましたね。ひとつの舞台を企画製作するということは、どんなストーリーにするのか、誰に脚本を依頼し、誰に演出してもらうのか、誰をキャスティングするのか、はたまたチラシのデザインはどうするのかといった様々なことをゼロから立ち上げていく作業となります。楽な仕事ではありませんね。今回の『ナンシー』でも、金子茂樹くんに脚本を第９稿・第10稿とお願いしました。彼の紡ぎ出した台詞が、私たちの体を通してお客様に届くと思います」。
　物語は田舎のとある銀行。警察が到着した時には、人質立てこもり事件は解決していたが、実はもっと厄介な「事件」が起こっていた。驚愕のラストが奇跡を呼ぶ。
　西村はさらに続ける。「初舞台となる飯島直子さんをはじめ、安田顕さん、デビット伊東さんほか、実力ある個性豊かな俳優に参加して頂きました。それだけで見どころ充分ですが、何といっても金子くんが繰り出す生き生きとした台詞により、登場人物に感情移入してご覧頂けると思います。高級感あふれる、上質で、徹底的に居心地の良さを追求した作品を、かなりの笑いありでお届けします。終演後は、きっと明日への勇気と希望が湧いてきますよ。スタッフ・キャスト共々渾身の舞台をお届けします。新しい文化の発信基地・シアター１０１０でお待ちしています。また、昨年末より映画出演が続き、今年は４本ほど公開されます。スクリーンでもお会いできると嬉しいです」。
　公演日時＝５月14日（金）午後７時。５月15日（土）午後１時と５時。料金７０００円。フレンズ会員10％引。チケットTEL５２４４・１０１１。

写真＝上／西村雅彦