足立朝日

Vol.93ドラキュラ伝説~千年愛~ ミュージカルロマンス

掲載:2010年5月5日号
妻への400年間の愛を松平が熱演

あの「松平健」主演ミュージカル「ドラキュラ伝説」が上演され、世間をあっと驚かせたのは08年。早くも再演が決定した。タイトルは、ミュージカルロマンス「ドラキュラ伝説~千年愛~」とバージョンアップし、妻を400年間想い焦がれるドラキュラ伯爵(松平健)の深い愛にスポットライトを当てる。
 舞台は15世紀半ば。トランシルバニアの名門・ドラキュラ伯爵は、最愛の妻・アマンダの死を受け入れられず、妻を蘇(よみがえ)らせることを条件に、悪魔と取り引きをしてヴァンパイア(吸血鬼)となる。それからの400年間、ドラキュラは想像を絶する辛酸を舐めながらアマンダの姿を求め続けるが……。
 妻・アマンダとアマンダの生まれ変わり・ミーナを演じるのは、宝塚歌劇団宙組初代トップの姿月あさと。ドラキュラの宿敵・ヘルシング教授に、数々のミュージカルで圧倒的な歌唱力を誇る今井清隆。ミーナの婚約者で弁護士のジョナサンに、「SHAZNA(シ
ャズナ)」ヴォーカリストとして活躍したIZAM(イザム)。ミーナと姉妹同様に育ったルーシーに、同歌劇団宙組元娘役トップの紫城るい。その婚約者のアーサーに松原剛史。ルーシーの叔父・セワード医師に治田敦。ドラキュラ家に怨念を持つ悪魔・メフィストに園岡新太郎。
 初演に続き松平の宙乗りは圧巻! 今回はクレーンを使っての大掛かりな仕掛けで宙を舞い、アマンダを追い求めて魂が揺れ動く心情をダイナミックに表現する。さらに特筆すべきは、幽霊となって400年間ドラキュラに尽くす忠実な執事・バベルの光枝明彦。時にはコミカルにドラキュラを励まし、時には朗々と愛を歌い上げる姿が共感を呼ぶ。ヴァンパイア役の同歌劇団出身・真織由季、朝澄けい、初嶺磨代がキュートだ。演出は宝塚歌劇団の藤井大介。海外作品全盛時代に、独自の感性がキラリと光る。
 上演場所=シアター1010、日時=5月20日(木)午後6時半。21日(金)午後1時。22日(土)正午と5時。23日(日)午後1時。20日~22日に特別カーテンコールとトークショーあり。料金=9000円、フレンズ会員10%引。問合せ・チケットTEL5244・1011。

写真=アマンダ/ミーナ(左)とドラキュラ伯爵